油断ならない安全地域-グリーンゾーン-
日曜日、マット・デイモン主演の「グリーンゾーン」を観にいきました。
公式サイト
この映画は、ジャーナリストのラジャフ・チャンドラセカランさんが
2006年に出した『インペリアル・ライフ・イン・ザ・エメラルド・シティ』
が原作です。
『グリーンゾーン』とは
かつて連合国暫定当局があったバグダード市内10km²にわたる安全地帯のことである。
イラク暫定政権下の正式名称は「インターナショナル・ゾーン」ではあるものの、
「グリーン・ゾーン」の呼び名が一般的である。
※引用:Wikipedia-グリーンゾーン
物語は「アメリカの9.11後の、アメリカ・イラクを中心とした
アメリカ占領下のグリーン・ゾーンで起こるスリラー」と定義づけられています。
最近激しい内容の映画を頻繁に見ますが…
相変わらず疲れる映画でした:(;゙゚'ω゚'):
鑑賞中に力入れすぎて、内臓が筋肉痛になりそう。
アメリカで公開された際は、初登場2位という興行成績を収めたそうですが
映画評論家の中での意見がキレイに真っ二つに分かれた映画だそうで…
あらすじだけ読んでみてもそう思いますし、実際見ると益々そう思います。
イギリス人映画監督だからか?っていう簡単な話でもないのですが。
そういえば…日本のマスコミの特徴だか知りませんがテレビなどのメディアで
全くといっていいほど「宣伝」されないこの映画。
おそらく理由はアメリカとイラクが絡んでいる内容だから…見方によっては
反米とも取れる内容だから、ですよね。
映画としては、とても「すごい」映画でした。
テンポもよく、ごちゃごちゃになりそうなそれぞれの関係も解りやすく
イラクの街の再現度や爆撃のリアリティなど、非常に良かったです。
しかし、よく映画にしたな、と…。
色々…大丈夫だったのか?と…。
なんだか観客側なのに心配。
こういう映画は、紹介するのが大変難しいのだなぁ…きっと。
例えば、これを日本のメディアが
「米兵とCIAがイラクの真実に触れる、手に汗握るアクション映画!」
みたいなフレーズで書かれたらとんでもないことになるでしょうし…。
なんなんでしょうね。
柔らかに「正義の敵はまた別の正義」みたいな描き方をしたかったのか?
と思ってもみたのですが…キャラのそれぞれの立ち位置が完全に固定されて
いて、悪そうに見える人は悪いことしてて、最後まで悪いという…(笑)
唯一ぼかされていたように見えたのは、イラクの未来でした。
ここは実際、まだまだ問題の渦中にありますし、描きようが無いですよね。
監督のポール・グリーングラスは「ボーン・アイデンティティー」シリーズの
方ですが、ノンフィクションとフィクションをまぜこぜに扱って表現した結果
こういう評価が出てきてしまったのかなぁ…と感じます。
デリケートな問題が絡む題材って難しい。
次は心落ち着く映画を撮って下さい…監督。